きのうの夜ね

まくらのなかから「もそもそ」音がきこえてきたの
と
首をかしげながら
耳もとあたりに手をやり
「もそもそ」にあわせうごかしている
朝のことだ
「きっとこの虫がいたんだよ」と
虫のおもちゃとセットなっているカードの一枚をもってきた
そこには
「あわふきむし」というなまえとそのせつめい
じぶんでぶきようにひらがなを読み
「まくらの中にすんでいるってかいてある？」

あ、あわふきむし？
とおもいながらも
「う〜む、どうだろうかね」
とこたえると
「え〜！とうちゃましらないの〜？」
と目をむいていいはなったのち
はしりさった

その日おふろにいっしょにはいる
ひさしぶりなわけでわないが
ひびせいちょうをかんじるのだ
またげなかったゆぶねをまたげたり
そこでのびているオイラの上にいても
おぼれそうにならなくなったり

いっしょにおふろにはいったほうがねかしつける
コレなんとなくのおやくそく

かれはねるときにおともをえらぶ
ウルトラマンシリーズや仮面ライダーシリーズの
とうじょうキャラクターのどなたか

ほんじつのおともは
やや大きめの
「仮面ライダー　ストロンガー」

ベッドのまくらもとに立っててもらうコトにけってい
それからかれのリクエストした絵本を読む
たまにほんきでないてしまうさくひんもあるので
わりとほんき
しんさくはしょけんになるのだが
それもたのしみのひとつ
きょうのさくひんもあぶなかった

そして
あかりをおとして
「おやすみなさい」
「おやすみなさい」

もともとオイラがねかしつけるトキには
あわせた手をあまりはなさなかったのだが
さいきんはにぎりしめるコトがおおくなった

そんななか
フムフムとたいせいをととのえ
まくらにみみをあて
しばらくまんじりともせずに
なにやらようすをうかがっている
そののちおもむろに目をあけ
「音がしないよ」とささやいてきた
「ほんとうですか〜？」とたずねると
「うん！！ほんとうだよ！！とうちゃまなんでかな？」
と
「まだじかんがはやいからかもよ？」
なんてかいとうをしたのですが
かれはおかまいなしに
「そっか、ストロンガーがまもってくれたんだ！！」
とごまんえつ
「ちっちゃいけどほんものなんだね、ほんもの
ストロンガーありがとう！！」
といって、よほどあんしんしたのでしょう
「とうちゃまおやすみ、ストロンガーもおやすみ･･･」
といってねむりにおちていきました

かれにはおどろかされるコトばかりだ
せんじつも
かれがきたくするなりおおごえで
「とうちゃまありがとう！！」
といわれ、ビックリしていたら
オイラのちかくまできて
「ぼくにないしょでこいのぼりたててくれたでしょ
だから、ありがとう！！」
といってはしりさった